校長メッセージ


 

 「剛・創・和」~来たときより ちょっとだけ、賢く、巧く~

令和7年4月8日

長崎県立島原工業高等学校 第23代校長の嶋本芳久です。本年度で着任2年目を迎えました。

本校ホームページをご覧いただき、ありがとうございます。

本校は、「島原半島に工業高校を」という地域の皆さまの強い思いにより、昭和38年に創立されました。今年で創立63年目を迎えることができました。これまで本校を支えてくださった地域の皆さま、産業界の皆さま、そして、11,600名を超える卒業生の皆さまに、心より感謝申し上げます。卒業生の多くは地域をはじめ全国で活躍しており、その歩みこそが本校の誇りであり、歴史の礎です。

現在、本校には機械システム科、電気電子科、建築技術科の3学科があり、290名の生徒たちが「確かな技術」と「豊かな人間性」を身につけるべく、日々の授業・実習・部活動・資格取得などに真剣に取り組んでいます。生徒のひたむきな取り組みは、本校教職員の原動力でもあります。

本校の校訓「剛・創・和」には、質実剛健、創意工夫、協調融和という3つの精神が込められています。また、創立当初の困難を生徒と教職員が共に乗り越えてきた「フロンティアスピリット(開拓者精神)」は、今も本校に脈々と息づいています。

近年、AIや情報通信技術の進化、脱炭素社会への転換など、私たちの暮らしや産業は大きく変化しています。こうした変化の中で、工業高校に求められる役割もまた進化が必要です。これからの社会では、技術力に加えて、柔軟な発想やチームで協働する力、そして持続可能な社会の実現に貢献できる姿勢が求められています。

本校では、これまで積み上げてきた伝統と技術教育の実績を大切にしながら、本年度のキャッチフレーズ「凡事徹底」の精神を柱の一つとして、当たり前のことを当たり前に、一歩一歩着実に、新しい時代を切り拓いてまいります。

私たちは、地域に根ざした工業高校として、地域社会とのつながりをとても大切にしています。その取り組みの一つとして、「半島の生徒は半島で育てる」という想いのもと、地元自治体や近隣の公立高校と連携した「はみ出せ島原!高校生共創プロジェクト」に取り組んでいます。秋の地域イベントでは、ものづくりの成果を披露し、「ウィンターナイトファンタジア」では、生徒が制作した電飾が幻想的な風景を彩ります。

こうした体験を通じて、生徒たちは地域社会の一員であることを自覚し、地域特有の課題にも主体的に向き合う力を育んでいます。これらの経験が、将来、地域を支える人材として羽ばたくための大切な基礎になると信じています。

また、本校では、生徒一人ひとりの個性と成長を大切にした丁寧な指導を行っています。教職員と生徒の距離が近く、温かい雰囲気の中で、それぞれの可能性を最大限に伸ばすことができます。進路指導では、地元企業への就職はもちろん、進学や県外就職など多様な進路に対応し、生徒の夢の実現を全力でサポートしています。

高校生活の3年間は、日々の小さな努力の積み重ねです。私たちは、「来たときより ちょっとだけ、賢く、巧く」というサブキャッチコピーを大切にしながら、生徒が確かな手応えをもって前進できるよう、教職員一丸となって取り組んでまいります。

本校の学びは、ものづくりを通じて社会の課題を発見し、解決へと導く「実践的な学び」です。教科書で学んだ知識を、実習で確かな技術として身につけるだけでなく、課題の本質を見極める力、仲間と協力し合う力、そして人を思いやる豊かな心を育むことを大切にしています。

知識と技術は、新たな価値を生み出す水源となります。しっかりと基礎基本を身につけることで、どんな時代にも対応できる、創造性豊かな人材を育てていくことを本校の目標としております。

島原工業高校は、これからも地域の産業を支え、生徒一人ひとりの夢の実現を力強く後押しできる学校として、挑戦と成長を続けてまいります。

今後とも、本校の教育活動へのご理解と温かいご支援を、どうぞよろしくお願い申し上げます。

長崎県立島原工業高等学校長
嶋本 芳久