校長メッセージ


 

  創立60周年から、次への1年として

令和6年4月8日

 長崎県立島原工業高等学校第23代校長として着任しました、嶋本芳久(しまもとよしひさ)と申します。どうぞよろしくお願いいたします。 

本校は、「島原半島に工業高校を」という産業界や地域の方々の熱い期待に応えて、昭和38年に創立され、昨年、創立60周年の節目の年を迎えることができました。これまで本校を巣立った11,530名の卒業生の皆様は、県内外を問わず、様々な地域や分野で活躍をされています。現在本校は、機械システム科、電気電子科、建築技術科、3学科9学級全校生徒275名が、優れた工業技術者となるために「学業」「部活動」「ものづくり」「資格取得」に励んでいます。

校訓は、「剛・創・和」で、質実剛健・創意工夫・協調融和の精神を備えた生徒の育成を目指しています。また、創立当時の過酷な環境整備における本校の生徒・教職員の奮闘の姿から名づけけられた、島原工業高校の「フロンティアスピリット(開拓者精神)」は、今も時代を超えて、その精神がしっかりと受け継がれています。

今後さらに多様化する新しい時代に向けて、受け継いできた60年の伝統を大切にしながら、その伝統の中から学び取り、未来を切り開いていこうと考え、キャッチフレーズを「温故知新」とし、生成AIが一般化してきたこともあり、知っているだけの知識では十分でないことから、~知識を知恵へ、技術を実用へ、承継から創造へ~としています。また、3年間の成長は日々のほんの少しずつの成長の積み重ねであると考え、その小さな成長を自ら意識して積極的に前進しようと、「来たときより、ちょっとだけ、賢く、巧く」を伝えてまいります。

本校の学びは、人や自分が、こんなものが欲しいとか、こんなものがあったらいいなという課題をものづくりによって解決することを目的とします。

つまり、本校の学びは、課題を解決するために、教科書から知識を習得するだけではなく、実習での体験を通して、知っている知識を自らができることとして、技術を確実に身につけます。
さらに、ものづくりには、人が求めていることを理解し、人を思いやる心を持ってものごとを考え、優れた提案を導き出すことが大切ですので、理解する力、伝える力をコミュニケーション力として伸ばす教育を行っています。
私たちを取り巻く社会は、AIや情報通信技術の進展が加速しており、これまで以上に創造力が求められます。創造は何にもないところから湧き出てくるのではなく、内なる知識を源として、島原の湧水のごとく湧き出します。そのため、基礎基本を理解し、しっかりと自分のものとなるよう取り組んでいます。

島原工業高校は、これからの産業を支える人材を育成できる学校、生徒の夢を叶える学校として邁進します。どうぞ今後とも本校への変わらない御理解と御協力を賜りますようお願いいたします。

長崎県立島原工業高等学校長
嶋本 芳久